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津乃吉の黒豆煮

年末らしいテーマで書こうと思います。

「黒豆煮」

「山椒じゃこ」「京だし」と並ぶ、津乃吉の看板商品です。

この2週間ほどで作りためた商品は、すっかり空っぽに。

気持ち良い様な、寂しい様な。

津乃吉の黒豆煮、もしかすると津乃吉の商品の中で一番評価が高いかもしれません。

店頭では、日本で一番の「黒豆煮」とご紹介してます 笑

「ちゃんと豆の味がする黒豆煮」

こんなキャッチフレーズ、当たり前の様ですが当たり前じゃないんですよね。

あまり他で販売されている黒豆煮を口にすることは多くないですが、とにかく甘過ぎるなと。

これに限らず、今の加工品は味付けで食べさせるものが多いと感じています。

それは一方で必要なことでもあって、良くない素材でも、均一的に一定の味にすることができるので、日本の食糧事情やフードロスの観点から見れば、日本の加工品技術は重要と思います。

この辺りはまた別でしっかり考えや想いを綴ろうと思っています。

今日は「黒豆煮」。

津乃吉でも勿論、甘く炊くのですが、「甘味」というのは、他の味に比べて強く、過度になると「甘い」の印象しか残らない気がしているので、「甘さ」に関してはすごく気を遣っています。

そこで、まず使用するのは種子島のサトウキビから作った「粗製糖」と、北海道産の砂糖大根から作られた「甜菜糖 氷砂糖」の2種類。

すごく柔らかい甘さで、最終甘く仕上げるものにはすごくお薦めです。

そして、さらに甘さのキレを良くするために使うのが「ゆず果汁」。

隠さない隠し味(原材料名に出てきますので・・)で、ゆずの香りを付けるのが目的ではなく、甘さのキレを良くするために使用します。しかも、きとうむらの手しぼり柚子果汁ですから、かなり贅沢だなと、、

炊き方にも工夫があり、前日に煮立たせた調味液に洗った豆を投入し、そのまま寝かせて、次の日の早朝から炊き上げるというやり方をします。

これ以外の方法で炊いたことがないのでどんな違いが出るのかは、自分自身では確認できていないのですが、冷める時にまだ煮詰まっていない調味液がゆっくり豆に浸透し、ええ感じになっているんだと思っています。って、急にめちゃくちゃ適当ですね 笑

でも、感覚ってとても大事。

『何となくこうした方が思ってる感じになる気がする』

食べものを拵えることにおいて、この感覚は大事だと思っていて、だいたい正解な気もしています。

何だか、まとまりのない話になって参りましたが、本当に誰に薦めても恥ずかしくないくらい、丁寧においしくなる手間は惜しまず拵えておりますので、お正月の食卓に是非並べて頂きたいなと思います。